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親父の家政婦だった女 第四十五話

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「それはよく頑張られましたね。さぞお辛かったでしょう」
 なぜそんなに嬉しそうなのか、俺にはわからなかった。これではまるで、西岡が俺を苦しめて、俺が苦しんで悶えているのを嬉しがって見ているようなものではないか。いや、しかし、もとから、西岡の態度はそんな風だったような気もした。
「お前のせいでな」
「申し訳ございません。今後は、特別な理由がない限りあのような仕舞い方はしないことにいたしましょう」
 にやりと意味ありげに笑って、上目遣いに俺の目を見上げた。その視線と、今までの経験から、俺は西岡の云いたいことが大体わかってしまった。俺が、何か西岡の意向に沿わない「悪いこと」をしてしまった時、「お仕置き」として、あのような亀頭を刺激する仕舞い方をいたしましょう、ということなのだろう。こんなふうに、暗号みたいに西岡の脅しを理解してしまっていたら、「そんな脅しはひどい」と不満をぶつけるわけにもいかない。西岡は当然「脅してなどいませんわ」と逃げるだろう。暗号なんか理解できなければよかった、と思った。

 西岡は手に石鹸を泡立てた。三日前と同じだとすると、それは俺のペニスを洗うための予備動作であった。だが今の俺にそれは必要ないように思われた。なぜならば、あと二時間もすれば禁欲解放の約束の期日が来るのであり、そこで改めて貞操具を外してもらえれば、その時に洗浄すればいいからである。
「なあ、西岡」
「何でしょう」
「あと二時間待ってくれないか」
「二時間ですか?」
「うん、あと二時間で、日付が変わる。約束の日だ」
 西岡は合点がいったように頷いた。
「成程。日付が変われば、洗浄などという限定的な刺激でなく、思う存分射精できるというわけですね」
「えっ、うーん、まあ、はっきり云ってしまえばそういうことになるかな」
「かしこまりました。では、それが小さくなるのを待たせていただきますね」
 バスタブの縁に腰掛けて西岡は、貞操具を片手に持って俺を見つめた。正直なところ、そんなに見つめられても困るのだった。バスタオル姿の女が近くに腰掛けていて、肩や太股が露出している。俺は勃起したペニスを西岡の方に向けたまま立ちつくしている。俺は目のやり場に困った。西岡の顔を見れば、にっこりと見つめ返してくる。慌てて目を逸らし、シャワーが掛けてある壁の方を見てやり過ごすことにした。

 ペニスはなかなか治まらなかった。それも当然のような気がした。二時間先に、射精できるというニンジンがぶら下がっている。目の前にはバスタオル姿の西岡がいる。この状況で、ペニスを鎮める方法があったら聞いてみたいものである。
「提案なのですが」
 西岡が小さく手を挙げた。
「すぐに治まらないようでしたら、先に洗浄させていただいてもよろしいでしょうか。二時間後にご奉仕するにしても、清潔なペニスの方が私としても嬉しいのです」
 それを云われて、俺は赤面した。今まで西岡の立場を考えたことが無かったことが恥ずかしく思われた。
「ごッ、ごめん、そうだな、不潔なペニスよりは、その通りだな」
 今まで考えないようにしていたことを指摘されて、改めて、自分の汚い部分を他人に触らせているのだという自覚が湧いて、気恥ずかしくなってしまった。

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Author:右斜め下
人が苦しむ物語が好きなんだけど、苦しんでいれば何でもいいってわけでもない。
自分でも「こういう話が好きです」と一言で言えないから、好きな話を自分で書いてしまおうと思った。
SとかMとかじゃないんだ。でもどっちかっていうとM。

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