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第一話へ第三十四話へ そこで直腸の中に挿入されている指が曲げられた。内壁がぐにゃりと圧迫されて、先ほどより強い刺激が下腹部を襲った。自分でも信じられないが、快楽が、ペニス単体ではなく、下腹部全体を襲ったのだった。その快楽に耐えるため、勢いよく呼吸をしたら、「っはぁあ!」と、まるで喘いでいるような声が出てしまった。ひょっとしたら、女性の喘ぎ声も、このようにして、快楽に耐えるための激しい呼吸から生み出されるものなのかもしれない、などと頭の片隅で他人事のように考えてもみたが、とにかく喘ぎ声を出してしまったのは西岡にも聞かれてしまったわけで、目の前でにやにやしている彼女に何とも言い訳しようがないのがもどかしかった。
「でも、健一様」
にやにやしながら、西岡が説得するような口調で話し始めた。
「この十日間が苦しかったのは、いつ射精できるかわからなかったから苦しかったのではありませんか」
云いながら西岡の手は俺の腹の方へ伸びてきている。
「何が云いたい」
「つまり、次に射精できるのは何月の何日だ、と、予めはっきり判っていなかったから苦しかったのではないかと、逆に云えば、二十日間と決まっていれば、日数の見通しが立てられて、耐えやすいのではありませんか」
「た、確かに、それはあるかもしれないが」
「でしょう?」
その瞬間、西岡の手が俺の乳首に伸びて、先端にふっと触れた。ぴくりとスイッチが入ったみたいにして、俺の上半身が震えた。まるで首から下が、快楽スイッチのついた自動機械になってしまったような気分だった。
「それにぃ……」
定期的に指が乳首をつん、つんと突く! 先刻下腹部を包んだのと似た快楽の靄が、乳首を通して、胸の内側に広がっていく。
「十日間我慢されただけでこんなに気持ちいいんでしたら、」
肛門の指がローションを伴って、内壁をすりすりと擦るように動いた。肛門を締める筋肉が、無意識にきゅっきゅっと締まるように痙攣した。
「その倍も我慢されたら、さぞ気持ちいいことでしょうねぇ」
西岡は「我慢されたら」と云った。これは文法上は敬語だったのだろう。が、俺には「我慢させられたら」の意味に聞こえていた。下腹部から胸を貫く今までにない全身的快楽に、頭が朦朧としていたせいもあるのだろう。俺の頭は、西岡の言葉を素直に受け入れて、「その倍も我慢させられたら、さぞ気持ちいいことだろう」とだけ考えていたのである。
「二十日間に挑戦されますでしょう?」
第三十六話へ
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