親父が死んで、親父の家政婦だった女がうちに上がりこんできた。何でも遺言に「遺産は全て息子の健一に相続する」「健一が一人前になるまでは面倒を見てもらいたい」とあったそうだ。 親父は医者で、金持ちだった。それで、俺は東京へ出て医学部に入った。独り暮らしを始めて一年半ほど経った九月、親父が死んだ報せが届いて、葬式やあれこれを済ませて東京に戻ったら、その女がマンションで待っていたから驚いた。「お帰りなさ...
※更新が間に合わなかった日は「親父の家政婦」でお茶を濁すよ!第一話へ...
暇がなくて「ペイント弾」が書けないよう。次更新の半分くらいはかけたけど第一話へ第五話へ...
第一話へ第十九話へ「実は、ひとつお願いが、約束していただきたいことがあるのですが……」...
第一話へ第二十話へ その日の事件はそれで済んだ。それから数日の間、俺の生活は何事もなく平和に進んだと云ってよい。無論、自分が何を約束してしまったのかはよく分かっていたから、毎食後の錠剤はきちんと十錠ずつ飲んでいたが、服用初日に感じたような急激な精子生成作用などというものは実際は錯覚で、例えばコーヒーを飲んだ直後に目が覚めたような気になるのと同様――カフェインはそんなに速く効くものではない――、偽薬効果...
第一話へ第二十一話へ 或る晩、いつも通り夕食を終えて錠剤を服用しようとした手をふと止めて、聞いてみた。...
第一話へ第二十二話へ 同じ晩、俺は布団の中で先程の会話を反芻していた。どうやら、俺が訊いた「いつまでこんなことを続けるつもりか」という問いは、要するに「いつになったら前みたいにいたずらを仕掛けてきてくれるのか」ということを訊きたかったようだ、ということに気がついた。それを自覚せずに口に出してしまったのだから、「こんなこと」の内容を聞き返された時にしどろもどろになってしまったのは当然だった。...
第一話へ第二十三話へ 暫くあって西岡が口を開いた。「必ず三日に一度、というお約束はできかねます。...
第一話へ第二十四話へ「具体的にはどういうことだ」「はい、ミルキングは、健一様の直腸に指を挿入させていただいて、内側から輸精管を直接刺激することによって、強制的に精子を絞りだす方法です。この場合、射精の快感を伴わず、人によっては痛みを感じることもあります」...
第一話へ第二十五話へ その日は一日中、胸がむずむずする感覚と、今晩の快楽への期待と、先日の乳首への悪戯の記憶とに揺さぶられながら過ごした。「乳首の感度を高める訓練」などと称してやらされた乳首に触れるゲームを思い出して、多人数の講義中、こっそりシャツの上から自分の乳首に触れてみたりもした。乳首には鍼治療シールが貼ってあって、その上にシャツ、さらにその上から触っていることになる。それにしても、自分の乳...
第一話へ第二十六話へ 寝る段になって、寝室で俺の布団を敷いていた西岡とすれ違った。西岡は布団を敷き終わって、自室へ寝に行く所だった。お休みなさいませと云って自室へ向かう彼女を見送って、今日中には貞操具を外してもらえると踏んでいた俺は戸惑った。西岡はもう寝てしまうつもりか。今夜には快楽を約束すると云ったのは何だったのか。...
第一話へ第二十七話へ 西岡の部屋にはまだ灯りが付いていた。何を云われるかとびくびくしながら、一方、何をしてもらえるかとドキドキしながら、俺は西岡の部屋のドアをノックしたが、返事はなかった。三度ばかりノックをしても返事が無いので、「西岡、俺だ、入るよ」と声をかけてそっとドアを開けた。西岡は部屋にいたが、机に肘をついて居眠りをしているようだった。座布団も敷かずに床の上に正座を斜めに崩して座り、左肘を突...
第一話へ第二十八話へ 俺は焦っていた。早く事を済ませなければ、西岡は目覚めてしまう。焦りに焦っていて、鍵を諦めようという考えが浮かばなかったぐらいである。西岡の素足に触れずに、足首の鎖を外し、鍵を得る。この困難な試練のため、俺の身体は前傾して、手と頭が西岡の右足に吸い寄せられるように近付いていた。だから、頭上でもう一度「んん……」という西岡の声が聞こえた時、焦りが募って前にのめり出してバランスを崩し...
第一話へ第二十九話へ 黙り込んでしまった俺に、西岡は手錠を差し出した。「ご自分で後ろに着けてください」...