夏休みも終わりに近づいた九月末の或る朝食後、西岡が台所からこんな事を云い出した。
「健一様、お付き合いしている女性はいらっしゃらないのですか」
「何をいきなり」
「男の子ですから、日々溜まるものをどうなされているのかと思いまして」
「ど、どうもなされてない」
「それではお苦しいのではありませんか」
「お前には関係ないだろう」
「もし健一様が厭でなければ」
云うが早いか彼女は手をエプロンの裾で拭きながら俺にすり寄り、
「お手伝いいたしますが」
ズボン越しに俺の内股を撫でた。それで俺の愚息はピクリと反応してしまった。
「敏感ですね」
彼女は手の平で撫でるように、また指先で弄るように、股間を刺激する。すぐに愚息は硬く張った。俺は、ちょっ、まっ、と曖昧な切れ端しか発音できないでいた。
「どうなさいます? 差し出がましいこととは承知しているのですが……」
云いながら西岡はジッパーをジ、ジジ、と態とゆっくり下ろして愚息への刺激を楽しんでいる。ジッパーは全て開き、西岡は中からペニスを取り出した。さっきまで皿を洗っていた西岡の手はまだ湿っている。人差指で包皮と亀頭裏を刺激しながら、揉むように、握るようにゆっくり手を上下する。
「もし健一様が制止なされば、すぐにでも止めるのですが……」
西岡の言葉が一つ一つ俺の逃げ道を奪ってゆく。
「あまりにも飢えていらしたように気持ちよさそうなもので……」
ゆっくりとした愛撫は快楽をゆっくりと確実に増大させる。
「ぜひ最後までして差し上げたいのですが……」
西岡は決して文を最後まで云い切らず、また愛撫の速度や強度を上げもしない。ただ、じわじわと昂ぶらせて、俺の反応を窺っているように見えた。
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