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悪魔とトオル 第十一話

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 トオルが気がつくと、アヤはぐったりしていました。息があるのかないのか、トオルは確かめようともしませんでした。
 ただトオルにはもう、自分の中で渦巻く衝動をどうにか外へ吐き出すことしか考えられませんでした。
 トオルはズボンを下ろし、アヤのスカートをめくって、熱くたぎったそれをアヤの秘部に無理やり挿入しました。何の準備もできていないアヤのヴァギナはぎちりと嫌な音を立て、血が滴りました。それはトオルのペニスをも傷つけましたが、それすらもトオルには快楽の前兆のように思われたのでした。
 トオルはもう無我夢中で腰を振りました。アヤのヴァギナは血に塗れ、ぎちぎち、ぐちゃぐちゃと凄惨な音を立てました。もしアヤにまだ息があったとしても、その光景は屍姦と何ら変わりませんでした。
『これで射精できたら僕は救われる』
トオルはそんなふうに錯覚していました。頭の片隅――というのは私が授けた理性の部分ですが――で、トオルは自分がどこかで間違ってケイスケを殺し、それに引き続きアヤの首を絞めてしまったことを理解していました。理解していながら、よくわからないふりをしているのでした。トオルには、その現実を直視し真正面から受け止めて、次にどうするかを考えることは不可能でした。それでトオルの自我は不条理な納得の仕方をせざるをえませんでした。
 私はトオルの後ろから、燃え上がった性欲に油を注ぎ、ふうと勢いよく息を吹きかけて性的快楽の炎を強く燃え上がらせました。トオルには、この屍姦がこの世で最も気持ちいい経験として魂に刻み込んでもらわなければなりません。トオルは、後悔と自責の念から目をそらすため、ひたすらにアヤへの強姦に没頭しました。ああ、とっても気持ちよさそうです。

 心ゆくまで楽しんでもらいたいところですが、残念ながらそろそろ時間切れと云わなければなりません。
『トオル、そこまで。人が来るわ。逃げるわよ』
『えっ』
ちょうど廊下では、カラオケ店員が不審に思って様子を見に来ようとしていました。
『ドアを塞ぎなさい。あなたの体でブロックすれば他の人は入ってこられないわ』
『わ、わかった』
トオルはアヤからペニスを引き抜くと、脱ぎ下ろしたズボンもそのままに、ドアを体で押えました。
「○○様、ちょっとよろしいでしょうか」
廊下からはカラオケ店員がノックする音が聞こえました。続いて、ドアを開けようと力がかかりましたが、トオルの体ががっちりとドアを押さえていました。

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右斜め下

Author:右斜め下
人が苦しむ物語が好きなんだけど、苦しんでいれば何でもいいってわけでもない。
自分でも「こういう話が好きです」と一言で言えないから、好きな話を自分で書いてしまおうと思った。
SとかMとかじゃないんだ。でもどっちかっていうとM。

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