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親父の家政婦だった女 第十七話

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 夕方、帰宅するなり俺は西岡に申し出た。
「限界だ。頼む。これを外してくれ」
 俺は今まで、こんなにも自慰依存症だったのだろうか。そうでなくとも、大学で、人前で、こんなに頻繁に男性器を勃起させて歩くような人間だったのだろうか。自慰をすることを考えたり、勃起しかけたりすると、例外なく痛みをもって即座に知らせてくれる貞操具のおかげで、自分がいかに日頃から愚息を勃起させて歩いているかが分かる。……いや、そうじゃない! ここのところ、毎晩のように西岡に悪戯をされ、焦らされ、精力を増強する薬を飲まされて、それで普段よりもおかしくなってしまっているだけなのだ。そうは思うものの、思い返してみれば、やはり、貞操具を着用する前から、人前で頻繁に勃起させていたような気がする。それが今、貞操具のおかげで顕著にわかるだけのような気がする。「おかしいのは西岡であって、俺は被害者だ」と自信をもって云えないのが、怖くもあり、恥ずかしくもあった。
「かしこまりました。では、手錠を着けさせていただきます」
 西岡は平然と云う。これを断ればどうなるか、俺は昨晩身をもって知っている。そして、一日中、大学の講義を上の空で聞き、悶々としなが出した結論はこうである、「たとえ何をされようとも、彼女の云う通りにしていれば、貞操具を外してもらえるに違いない」。

 なるべく動じていないように振る舞って、手を後ろに回す。西岡は引き出しの中から手錠を取り出してきて手首にはめてしまう。ズボンとパンツを足首まで下ろされる。俺はワイシャツ一枚の姿になる。南京錠が外される。三日ぶりの外気。解放されたペニスは水を得たワカメのようにじんわりと膨らんで、血流に合わせてピクリピクリと大きくなってゆく。
「元気なムスコさんですね。椅子、座られますか?」
「あ、ああ……」
 薦められるままに腰を下ろす。その間にもペニスはどんどん反り返ってゆく。包皮の先がめくれて亀頭が半ば露出する。

 西岡が指先で軽く包皮の先をつついた。それだけで背筋に電流のような快感が走る。三日間焦らされ続けた結果ここまで敏感になってしまったとしたら、射精したらどうなってしまうのか。
「窓は閉まっていますから、声を出されても大丈夫ですよ」
「出さないよ! それに、ここのマンション、壁、薄いし」
「そうですか。では声を出さないようお気を付けください」
 にやりと笑った気がした。

 昨晩と同様、俺の座っている前に膝立ちになる。露出した俺の膝に手を置いて、膝の間に割り込んでくる。同時に、膝に置いた手を、股の内側めがけて這わす。びくんと背筋が跳ね上がる。快楽がペニスに近づいてくる!

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右斜め下

Author:右斜め下
人が苦しむ物語が好きなんだけど、苦しんでいれば何でもいいってわけでもない。
自分でも「こういう話が好きです」と一言で言えないから、好きな話を自分で書いてしまおうと思った。
SとかMとかじゃないんだ。でもどっちかっていうとM。

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