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[T5] まとめtyaiました【聖トリニティ退魔士会 第十一話】

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聖トリニティ退魔士会 第十一話

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 見学ツアー当日、俺が集合場所に着くと、見慣れた『もみの木の会』メンバーが既に集まっていた。大原さんは来ていなかった。他のメンバーが「急な用事が入ったんだって」と教えてくれた。
 集まっている人の中に、見たことのない三十代ぐらいの女性がいた。首から「松枝」と大きく書かれた名札を下げていた。
「お早うございます、中村大樹です」
「中村さん、おはようございます。『トリニティ』牧師の松枝奈々です。五日間、案内役を務めさせていただきます。よろしくお願いします」
「あっ、こちらこそよろしくお願いします」

 飛行機が新千歳空港に着くとすぐ俺たちはマイクロバスに乗せられ、バスは知らない道をずんずん進んでいった。その間に俺たちは簡単に自己紹介をし、それから松枝さんが「トリニティ」と合宿所について説明を始めた。
「皆様すでにご存じと思いますが、私たち『トリニティ』、正式には『聖トリニティ退魔士会』は、私たち自身の内なる悪魔を克服し、よりよき生、より善き世界を追い求める宗教団体です」
 すでにご存じじゃなかったよ。初めて聞かされた。しかし、宗教団体だというのは予め覚悟していたからもう驚かない。
「全国に三か所の合宿所を拠点に活動しており、私たちが今向かっている『十勝川合宿所』はその中でも最大規模の合宿所です。十勝川合宿所は、広大な敷地に、合わせておよそ一万人が生活できる巨大な宿泊施設群を備え、退魔士や求道者たちが内なる悪魔を克服するため、日々の祈りや勤めに励んでいます」
 退魔士? 求道者? それはいったい何だ?
「退魔士や求道者というのは、他の修道会における修道士に当たる言葉で、その人の魂が今どの段階にあるかを表します。退魔士は悪魔を退ける勤めの途中にある人で、求道者はその先、自らの進むべき道を探し求める人のことを指します。『トリニティ』には他にも、牧師、助祭、司祭、司教といった役職があります」
 松枝さんは明言しなかったが、彼女の説明によると求道者の方が退魔士よりも修行が進んでいることになる。退魔士が一番下で、そこから求道者、牧師、助祭、司祭、司教という順に偉くなっていくんだろうということが何となくわかった。

 細く曲がりくねった山道を通り抜け、正午ごろマイクロバスは合宿所の広い駐車場に止まった。合宿所に着くと俺たち参加者は首から「見学者 中村」などと書かれた名札を着けさせられ、男女に分かれてそれぞれ一緒の部屋に通された。部屋に荷物を置き、食堂へ案内される。
 食堂にはすでに十人前後の人がいて、「ようこそいらっしゃいました」などと盛大に歓迎してくれた。この人たちは退魔士か、求道者か。昼食も彼らが作ってくれたらしい。
「明日からは見学者の皆さんにも食事当番を体験していただきます」
 と松枝さんが云った。

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Author:右斜め下
人が苦しむ物語が好きなんだけど、苦しんでいれば何でもいいってわけでもない。
自分でも「こういう話が好きです」と一言で言えないから、好きな話を自分で書いてしまおうと思った。
SとかMとかじゃないんだ。でもどっちかっていうとM。

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