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親父の家政婦だった女 第八話

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 最初は戸惑ったものの、"貞操具"付きの生活は、慣れてしまえば特別の苦痛はなかった。ただし、トイレは別である。排尿のための穴が空いているとはいえ、立って用を足すように作られていない。仕方なく、小の時にも大の時のように後ろ向きに座って用を足すことになる。

 それから、何らかのはずみで愚息が勃起してしまった時には少々きつい。ペニスケースが平常時のサイズにぴったりに、しかも下向きに固定して造られているからである。例えるなら、タイトなジーンズを穿いている時に勃起しかけて、分厚く硬い生地に阻まれて勃起できなかった時の感覚に似ている。とはいえ、これが何週間も禁欲した末にこうなったのならば話は別だが、昨晩思いっきり絞り取られた後の愚息である。勃起はすぐに収まり、大した苦痛はなかった。そう考えると、何を考えているかいまいちよくわからない西岡も、影響を考慮して昨晩抜いてくれたのだろうと想像できる。

 その日の晩、浴室にて。"貞操具"を付けたままでシャワーを浴びて、もう上がろうというところで、「失礼いたします」という声とともにかちゃりと戸が開いて西岡が入ってきた。驚いて湯を止め、恐る恐る見ると、バスタオル風のものを巻いている。一瞬裸かと思って焦ったが、バスタオルならセーフの範疇である。
「って、いやいやいや。それでもびっくりだよ」
「局部のお世話に参りました」
 西岡はこちらの動揺など意に介せず、まっすぐ俺の目を見て微笑む。
「局部って、ええっ。そんな」
「はい、今朝、不潔とおっしゃいましたので洗浄させていただきます」
 よく見ると西岡は首から細い金鎖で鍵を提げていた。彼女は立っている俺の目の前に膝をつき、首元の鍵を貞操具の南京錠に当てて解錠する。一日ぶりの外気。その開放感と、目の前にバスタオル一枚の女がいる事実とで、愚息はすぐに熱を帯びて大きくなる。
「こちらは、きつくありませんでしたか?」
 西岡が尋ねる。
「きつかった。まあ堪えられないほどではないが」
「いえ、ペニスケースではなく、こちらのカフリングの方です」
 と云って指すのは、陰嚢の裏に回されたC字のリング。西岡曰く、そのリングがきつすぎると輸精管が圧迫され、ゆるすぎると装着中にずれて睾丸を圧迫してしまうことがあるらしい。男性器周辺についての知識が異常に豊富なメイドというのは、なんだか気味が悪い気もする。
「いや、こっちは特にきついとは感じなかったな」
「かしこまりました。ゆるすぎる可能性を考慮し、明日は一段階小さいものに替えます。きつい時にはすぐにお申し付けください」
 ここまで行き届いた配慮を見ると、どうも、面白半分で器具を装着して喜んでいるだけとは見えない。メイドの義務として、主の健康管理の一環ででもあるように思われる。

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Author:右斜め下
人が苦しむ物語が好きなんだけど、苦しんでいれば何でもいいってわけでもない。
自分でも「こういう話が好きです」と一言で言えないから、好きな話を自分で書いてしまおうと思った。
SとかMとかじゃないんだ。でもどっちかっていうとM。

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