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聖トリニティ退魔士会 第八話

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「私たちはここで、『悪魔』という存在を仮定します。人間は最初、神の声に素直に従って楽園で生きていました。そこに悪魔がやってきて、イヴを誘惑して禁断の木の実を食べさせました。悪魔の誘惑に負け、木の実を食べたイヴとアダムの子孫が私たちです。私たちの中にも連綿と、悪魔の誘惑が受け継がれてきている、というふうに私たちは考えます。なぜそういうふうに考えるかというと、元来私たちは、神の声を素直に聴いて受け容れる素質を持っているんだ、それができないのは悪魔のせいなんだ、と考えたいからです。そして、私たち全員が悪魔の誘惑を克服できたとき、――いつになるかわかりませんが――地上に楽園が再現します」

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聖トリニティ退魔士会 第七話

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第六話へ

「原子力発電、という言葉を聞いて、関心がおありの方はどのぐらいいらっしゃいますか、ちょっと手を上げていただけますか」

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聖トリニティ退魔士会 第六話

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 会合の日、俺は早めに講義を抜け出て、18時に間に合うように会場へ向かった。18時より少し前に会場に着いたら俺が一番乗りだった。後から大原さんや他の中核メンバーの人たちが来て、「中村くん早いねえ、やる気満々だね!」と褒めてくれた。

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聖トリニティ退魔士会 第五話

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 次の会合の連絡は大原さんがしてくれるというので、大原さんにメールアドレスを教えて別れた。

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聖トリニティ退魔士会 第四話

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「いや、僕、見学ということで今日ここにきてるので、まだ新入部員じゃないッス」

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聖トリニティ退魔士会 第三話

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 講義を終え、渡された地図をぼうっと眺める。会合は三鷹市立のコミュニティセンターの一室を借りてやっているらしい。『もみの木の会』そのものの連絡先はどこにも書いてなく、ただコミュニティセンターへの道順とコミュニティセンターの電話番号が書いてあるだけだ。

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聖トリニティ退魔士会 第二話

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「うーむ、でも、キリスト教も当時は新興宗教だったわけじゃないスか。そう考えると、えーと、ナンだ、それはトマスが正解ですよ。見ないで信じたらどんな悪徳に騙されるかわかったものじゃない」

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聖トリニティ退魔士会 第一話

※この物語はフィクションです。実在する個人・団体とは全く関係ありません。
※また、キリスト教の皮をかぶった新興宗教を描いていますが、キリスト教を貶める意図はありません。オウム真理教を非難していても仏教を非難しているわけではないのと同様の事情と思っていただければ幸いです。

 大学のラウンジ、カウンター席で独り本を読んでいると、「あの、すみません」と女性の声がした。顔を上げると横には、俺と同じ年ぐらいの女の子が微笑んでいた。
「私、インカレで活動している『もみの木の会』という哲学サークルの者です。ちょっとお時間いただけますか」
「ええ、まあ、今ここで話をするぐらいならば」
何だか怪しげな奴が来たぞ。まあ、次の講義が始まるまで暇だし、顔は可愛いし、ちょっと話し相手になってからかってやろう。
「ありがとうございます、隣、いいですか」
「どうぞどうぞ」
女の子はすぐ隣の椅子に腰かける。ちょっとちょっと、距離が近いよ。
「あなたは神様を信じますか」
「えっ」
ド直球来たよ、これ。
「いや、ぜんぜん信じてないッス」
「それは、失礼ですが、どうしてですか」
「えー、どうしてだろう。そもそもアレだな、子どものころから宗教教育を受けてこなかったからかな」
女の子は真剣な顔で頷きながら聞いていた。
「なるほどなるほど、じゃあ、もし仮に、今『神を信じなさい』とか云われたら、信じます?」
「いっ、やー、どうかな。お化けとかでもそうですけど、見えないもの、聞こえないものは、信じないことにしてるんスよ」
「ああー、トマスの考え方ですね」
トーマス? 機関車か?
「トマスの話って聞いたことあります?」
「いえ」
「トマスはイエスの弟子の一人です。イエスは処刑されましたけれども、三日後に復活しました。トマスは復活の時にその場にいなかったので、あとから話を聞いて、こう云いました、『いや、私は信じない。この目でイエス様を見て、脇の下に手を入れてみるまでは信じないぞ』と。脇の下というのは、処刑の時に槍が通された場所のことです。他の弟子たちはトマスをイエスのところに連れて行き、トマスは実際にイエスを目で見て、脇の下に手を入れました。その時にイエスはトマスに云った言葉が興味深いんです、『見ないで信じる者は幸いである』。どう思います」
「えっ、ええー」
困ってしまった。これは哲学サークルとか云いながら、その実、宗教サークルっぽいぞ。

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親父の家政婦だった女 第二十四話

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 暫くあって西岡が口を開いた。
「必ず三日に一度、というお約束はできかねます。

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親父の家政婦だった女 第二十三話

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第二十二話へ

 同じ晩、俺は布団の中で先程の会話を反芻していた。どうやら、俺が訊いた「いつまでこんなことを続けるつもりか」という問いは、要するに「いつになったら前みたいにいたずらを仕掛けてきてくれるのか」ということを訊きたかったようだ、ということに気がついた。それを自覚せずに口に出してしまったのだから、「こんなこと」の内容を聞き返された時にしどろもどろになってしまったのは当然だった。

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リンク紹介

ドレイン
とーさんのサイト。小説や自作RPG。実は「みんなでBF小説」カプセルホテルの頃からのファンです、と古参ファンアピールをしてみる。とーさんの作品に出会っていなかったらたぶん今の私の変態性はここまで開花していなかったであろうと思われる。「お姫様の戯れ」「幸せスクリブル」は名作。でも個人的には「陰湿サラダボウル」の小編が一番好き。

FEMDOM EMPIRE -女権帝国-←New
clitlickslutさんのブログ。私の英語読解が正しければ、女権帝国の建国を夢見る妄想ブログ。異星人からの侵略により地球人男性が奴隷にされるという共通設定のもとの短いシーン集。ガレー船シリーズや宇宙船の動力炉での強制労働の話が好きです。

親父の家政婦だった女 第二十二話

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 或る晩、いつも通り夕食を終えて錠剤を服用しようとした手をふと止めて、聞いてみた。

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親父の家政婦だった女 第二十一話

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 その日の事件はそれで済んだ。それから数日の間、俺の生活は何事もなく平和に進んだと云ってよい。無論、自分が何を約束してしまったのかはよく分かっていたから、毎食後の錠剤はきちんと十錠ずつ飲んでいたが、服用初日に感じたような急激な精子生成作用などというものは実際は錯覚で、例えばコーヒーを飲んだ直後に目が覚めたような気になるのと同様――カフェインはそんなに速く効くものではない――、偽薬効果とか想像妊娠に近い性質の現象だったんだろうと思う。気にしなければどうということはない。大学に出ても、人前で勃起しかけて痛みに呻いたり、冷や汗をかいてすぐにトイレの個室に駆け込んだりすることはなくなった。俺は股間に貞操具を装着した状態の日常生活に、徐々に慣れつつあった。

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親父の家政婦だった女 第二十話

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第十九話へ

「実は、ひとつお願いが、約束していただきたいことがあるのですが……」

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悪魔とトオル 第十三話

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第十二話へ

「じゃあ、死後の魂だけでいいわ。それならばどう?」

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悪魔とトオル 第十二話

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第十一話へ

 私は13号室の中に幼女の姿で現れ、トオルに云いました。
「カラオケの店員さんにこの部屋の中身を見られたらトオル、あなた、捕まっちゃうわね。かわいそうに、ご愁傷様」

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悪魔とトオル 第十一話

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第十話へ

 トオルが気がつくと、アヤはぐったりしていました。息があるのかないのか、トオルは確かめようともしませんでした。

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悪魔とトオル 第十話

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第九話へ

 トオルがケイスケの胸を刺してからケイスケの身体が床に落ちるまで、ずいぶん長い時間のように思われました。その間、私は、トオルが自分のしたことをキチンと冷静に理解できるように、トオルの魂に普段以上の理性を与えました。

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悪魔とトオル 第九話

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第八話へ

 トオルはあとからカラオケ店にやってきて、別の階の部屋に入りました。部屋をできる限り暗くし、カラオケの音量を小さくして、申し訳程度に歌の練習をしているふりをしていました。

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悪魔とトオル 第八話

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「素晴らしいわ。これで繋属の儀式はすべて完了した。あなたの魂は今、トオル、魔力を鎧って常人を超越したわ。その力で、あなたの望むことを成し遂げなさい」

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悪魔とトオル 第七話

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 ヴァギナに呑まれてトオルのペニスはいよいよ熱くなりました。トオル自身にも、性欲なのか、快楽なのか、苦痛なのか、よくわからなくなっているはずでした。ただ熱く、鼓動が速く、ペニスが硬くなっていました。私は腰を前後に揺すりました。結合部分からくちゅくちゅと不浄な音がしました。

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悪魔とトオル 第六話

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第五話へ

 次の日、私はトオルに高熱を出させ、学校を休ませました。トオルのお母さんは家にいて家事をしていましたが、基本的にトオルは寝室で一人で寝込んでいました。

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悪魔とトオル 第五話

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第四話へ

私はわざと知らないふりをしてみようと思いました。

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悪魔とトオル 第四話

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第三話へ

 その晩のアヤの夢は図書室のカウンターでした。別のクラスの女の子を一人挟んで、その向こうにトオルもいました。アヤはトオルと同じ図書委員の仕事でカウンターに座っているのでした。

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悪魔とトオル 第三話

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第二話へ

 その日の晩、アヤはバスケ部の練習の夢を見ていました。何とか云う名前の親友の女の子とのパスの息が合わなくて悔しい思いをしている、ありがちな夢でした。私は後輩の姿になって、アヤを呼びました。

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悪魔とトオル 第二話

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 トオルは頷こうとしたのを一旦躊躇って、少し考えました。

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悪魔とトオル 第一話

 誰かが悪魔を喚んでいました。私が行かなくちゃ。なぜだかそう思いました。

 喚ばれて飛び出てみたら、悪魔を喚んだのはさえない感じの若い男の子でした。私が何の気なしにグラマラスでセクシーな悪魔衣装で登場したら、どぎまぎして目を逸らしていました。
「あら、ごめんなさい。私のセクシーな姿を見るのが恥ずかしいのね」
男の子は頷くでもなく否定するでもなく黙っていました。私はロリっ子体型に姿を変えました。周りを見回すと、どうやらこの男の子の自室のようです。
「それで、望みは何かしら。云ってみなさい」
男の子は緊張した面持ちで口を開きました。
「悪魔は望みをかなえる代わりに対価を要求するという。対価が何なのかはっきりしないうちは、僕は契約をしないぞ」
残念です。ガードが固いです。悪魔のことをよく勉強しているみたいです。
 悪魔は言葉に縛られます。だから、明言したこと、されたことに違反する契約をすることはできません。でも逆に云えば、明言していないことなら好きに契約を都合よく解釈できます。これが悪魔のやり方です。
「対価はあなたの望みの大きさによるわ。まずは望みを云ってみなさいな。あなた、名前は?」
「名前を明かしたからといって契約したことにはならないぞ。僕はトオル。お前は?」
トオルは不必要に慎重です。悪魔の手練はもっと他のところにあるというのに。
「悪魔に名前はいらないわ。神話時代なら別として。あなたが私を呼ぶときは、ただ『悪魔』と呼んでくれればいいの。それで、あなたの望みは何?」
「ああ、その……」
トオルは黙ってしまいました。トオルはなかなか口を開こうとしませんでしたが、云おうか云うまいか、云うとしたらどう云おうか、悩んでいるみたいでした。私はトオルの唇めがけてふっと息を吹きかけてあげました。トオルの唇もこれで少しは滑らかになるでしょう。
「好きな娘がいるんだ」
私はトオルの目を見つめ、頷いて先を促しました。
「隣のクラスで、僕と同じ図書委員の娘なんだけど」
私はトオルが話し終わるまで決して口を開きません。こうして視線を送ってあげるだけで、トオルは自分の望みを言葉に形作ってしまうことでしょう。
「べっ、べつに知らない仲じゃないんだ、そこそこ親しいし、順当にがんばれば僕だってその娘と……もっと、仲良くなれると思ってたんだけど。その娘にはもう彼氏がいたんだ。それがまあ、まともな恋人なら僕だって手を引くよ。悪魔に頼ろうなんて思わなかった。でも、その彼氏というのが、よほどひどい奴らしい。僕はべつに、彼女といい仲になりたいとかそういうつもりで悪魔に頼るんじゃないんだ、もちろんいい仲になれたら嬉しいけれども。ただ、彼女がひどい彼氏に振り回されているのが我慢ならない。救い出すためにどうしても力が必要なんだ」
 私は微笑んで大きく一つ頷いて見せました。
「よくわかったわ。お安い御用よ。人間として立派な願い。悪魔に頼るのがもったいないぐらいだけれど、確かにその願いは、あの冷酷な神には絶対に聞き届けられない類のものね。いいわ、引き受けましょう」
「まだだ、代償を聞かせてもらっていない」
「代償ね。死後に魂を貰い受けて地獄へ送るというのが悪魔の流儀ではあるのだけれど、あなたの高潔な魂など地獄へ送っても何の足しにもならないわ。ただ、代償というのではなくて、手段としてね、事を成し遂げるまでの間は、私の云うことに従いなさい。そうすれば、あなたの望みは叶えてあげましょう」

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親父の家政婦だった女 第十九話

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第十八話へ

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親父の家政婦だった女 第十八話

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親父の家政婦だった女 第十七話

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第十六話へ

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プロフィール

右斜め下

Author:右斜め下
人が苦しむ物語が好きなんだけど、苦しんでいれば何でもいいってわけでもない。
自分でも「こういう話が好きです」と一言で言えないから、好きな話を自分で書いてしまおうと思った。
SとかMとかじゃないんだ。でもどっちかっていうとM。

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