2ntブログ

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

悪魔とトオル第二部 第五話

第一部第一話へ
第二部第一話へ
第二部第四話へ

 深夜十一時、アヤが学校の敷地に入りました。アヤが家から抜け出すこと、学校のセキュリティを誤魔化すことに関しては、私が手伝ってあげました。

続きを読む

悪魔とトオル第二部 第四話

第一部第一話へ
第二部第一話へ
第二部第三話へ

 私は久しぶりにトオルの部屋を訪ねました。
 トオルは、しばらく見ないうちに頬が痩せこけ、目の下が窪んで、ひどい顔になっていました。インプの奴がいい仕事をしたようです。

続きを読む

悪魔とトオル第二部 第三話

第一部第一話へ
第二部第一話へ
第二部第二話へ

 アヤは意識を取り戻しました。警察は、最初こそアヤの身体を気遣うそぶりを見せましたが、次の瞬間にはもう、犯人や犯行当日の状況をアヤに問い質していました。

続きを読む

悪魔とトオル第二部 第二話

第一部第一話へ
第二部第一話へ

 カラオケ店内での男子校生変死事件はテレビや雑誌で大々的に報道され、トオルの学校でも大騒ぎになっていました。ただ、報道されているのはケイスケの変死体だけで、アヤについては報道は一切触れませんでした。

続きを読む

悪魔とトオル第二部 第一話

第一部第一話へ
第一部第十三話へ

 トオルが眠りに落ちたのを確認してから、私はインプを喚び出しました。
「小悪魔、下郎、奴隷、貪る者、出なさい、仕事よ」
『キキッ、仕事ですカ』
 私の手のひらの上に現れたのは見るもおぞましい黒い小悪魔です。
「ええ、仕事よ。この少年の胸に刻まれた今日の素敵な記憶を、上から丁寧になぞって、深く深く刻み込んであげなさい。特に、女の子を征服した快楽をね」
『デハ、少年の魂の一割を給料としていただきましょウ』
「欲張るんじゃないよ、糞虫。報酬はあんたの仕事のでき次第よ」
『それじゃア困ります』
「じゃあ、最低でも一パーセントは報酬を与えましょう」
『もう一声、いただけませんカ』
「ならば二パーセント」
『いや、三パーセント』
「失せなさい。あなたはクビよ」
『ヒッ、待ってくださイ、二パーセントでいいでス』
「黙りなさい。報酬は一パーセント。それ以上は払わないわ。それでよければ、仕事をさせてあげる」
『わ、分かりましたヨ。やらせていただきまス』
 全く、忌々しいインプです。が、仕事はちゃんとやる奴です。トオルは今日の出来事を、深く深く胸に刻み込まれなければなりません。アヤを征服した快楽の記憶を鮮明に保ち、次もまた、と思ってもらわなければなりません。

 トオルのことはインプに任せて、私はアヤを訪ねました。トオルがアヤの体内に放った精のおかげで、アヤの居場所を見つけるのは簡単でした。アヤは市内の病院に運ばれ、個室に一人で寝かされていました。廊下に家族と警察官が、深刻な顔で待機していました。アヤは一命を取り留めたようですが、まだ意識を取り戻していませんでした。
 私はアヤの意識に潜り込み、昏冥に陥っているアヤを呼びました。
――アヤ、アヤ、聞こえますか――
「……ん」
――アヤ、聞こえますか…アヤ……今…あなたの心に…直接…呼びかけています――
「誰、私を呼ぶのは」
――私は、復讐を司る者……イーピゲネイアの娘にして、クリュタイメーストラーの母……。あなたに、復讐の力を授ける者――
「えっ、何、何を云っているのか、わからないのだけれど……復讐?」
――そう、復讐。思い出してごらんなさい。今日、あなたたちが、誰に、どんな目にあわされたか。あなたたちは、二人きりの幸せな時間を過ごしていた。そうよね――
「ええ、でも」
――でも、一人の少年がそれをぶち壊した。あなたたちへの嫉妬に狂って、あなたの大切な人を刺し殺し、そうして、あなたの首を絞め、無理やりに姦した――
「そうよ、アイツ……トオル……あの最低な男……。でも、今ごろは警察に捕まっているはずよ。あたしだって大声で叫んだし、カラオケの店員さんだって来てくれたはず。逃げ場なんかどこにもなかったもの」
――残念ながら、違うわ。少年は、トオルは、悪魔の力を宿している。彼は、誰にも気づかれることなく姿をくらまして逃げたの。警察の捜査は混乱しているわ。誰も犯人の姿を見ていないし、どこにも指紋が残っていない。誰も、あなたの大切な人を殺し、あなたの首を絞めて強姦した犯人がトオルだと知っている者はいないわ。ただ一人、あなたを除いて――
「そんな! まさか!」
――ほんとうよ。人間社会は誰もトオルの犯行を知らない。だから、誰もトオルを裁けない、裁こうともしない。今ごろトオルは、のうのうと逃げ延びて、ニヤニヤ笑いながら次なる凶行の計画をでも練っていることでしょうね――
「ひどい……。許せない」
――そう云うと思ったわ。だから私が遣わされたの。私は、復讐を司る者……あなたに、復讐の力を授ける者――
「私に……復讐の力を……?」
――そう。あなたが本当に心の底から復讐を望むなら、あなたに復讐の力を授けましょう――
「望むわ。あの男……絶対に許さない」
――ならばこの剣を――
 私はアヤの目の前に、金色に輝いて見える両刃の剣を幻出させました。
――受け取りなさい、アヤ。これが復讐の力、そして、契約の証よ――
 アヤは憎悪に燃えて、金の剣を受け取りました。ここに、アヤとの契約が成立しました。私は、アヤの魂にも、「復讐の力を授ける」といった大雑把な契約の範囲で、自由に干渉できる力を得ました。アヤは再び昏睡に陥りました。

第二話へ

親父の家政婦だった女 第三十三話

第一話へ
第三十二話へ

 西岡の指が陰嚢を回って会陰へ伸びた。指は常にローションを伴って動いていたので、玉袋の後ろ、肛門の付近にまで、ローションが塗り広げられることになった。
「もう少し足しましょうか」

続きを読む

親父の家政婦だった女 第三十二話

第一話へ
第三十一話へ

 反論する間もなく、俺の身体はぐりんと仰向けに転がされる。あっと云う間にトランクスが脱がされて、透明なペニスケースが露わになる。西岡は右足の鎖を右手だけでいとも簡単に外して、俺の足下から両足を持ち上げて股の間に割り込んできた。西岡は正座している。俺は仰向けに寝て、俺の両脚は西岡の両肩の上である。俺の腰は西岡の膝の上に乗っている。つまり、俺の股間は西岡の目の前にある。
「外しますね」

続きを読む

親父の家政婦だった女 第三十一話

第一話へ
第三十話へ

 この勝負を受けるも受けないも、俺に選択権は無さそうだった。それに、勝っても負けても、何某かの「気持ちいい方法」で何かしてもらえるのだから、勝負を受けて悪いことは何一つないはずである。

続きを読む

親父の家政婦だった女 第三十話

第一話へ
第二十九話へ

 黙り込んでしまった俺に、西岡は手錠を差し出した。
「ご自分で後ろに着けてください」

続きを読む

親父の家政婦だった女 第二十九話

第一話へ
第二十八話へ

 俺は焦っていた。早く事を済ませなければ、西岡は目覚めてしまう。焦りに焦っていて、鍵を諦めようという考えが浮かばなかったぐらいである。西岡の素足に触れずに、足首の鎖を外し、鍵を得る。この困難な試練のため、俺の身体は前傾して、手と頭が西岡の右足に吸い寄せられるように近付いていた。だから、頭上でもう一度「んん……」という西岡の声が聞こえた時、焦りが募って前にのめり出してバランスを崩し、西岡の足の裏に手のひらを突いてしまったのは、全く焦りのせいとしか云いようがない。

続きを読む

親父の家政婦だった女 第二十八話

第一話へ
第二十七話へ

 西岡の部屋にはまだ灯りが付いていた。何を云われるかとびくびくしながら、一方、何をしてもらえるかとドキドキしながら、俺は西岡の部屋のドアをノックしたが、返事はなかった。三度ばかりノックをしても返事が無いので、「西岡、俺だ、入るよ」と声をかけてそっとドアを開けた。西岡は部屋にいたが、机に肘をついて居眠りをしているようだった。座布団も敷かずに床の上に正座を斜めに崩して座り、左肘を突いて右手はボールペンをとり落としている。机の上には帳簿が広げられていた。西岡はいつもの通り白のブラウスに黒のタイトスカートの上下で、俺はこれとエプロン以外の服装を見たことがなかった。

続きを読む

親父の家政婦だった女 第二十七話

第一話へ
第二十六話へ

 寝る段になって、寝室で俺の布団を敷いていた西岡とすれ違った。西岡は布団を敷き終わって、自室へ寝に行く所だった。お休みなさいませと云って自室へ向かう彼女を見送って、今日中には貞操具を外してもらえると踏んでいた俺は戸惑った。西岡はもう寝てしまうつもりか。今夜には快楽を約束すると云ったのは何だったのか。

続きを読む

親父の家政婦だった女 第二十六話

第一話へ
第二十五話へ

 その日は一日中、胸がむずむずする感覚と、今晩の快楽への期待と、先日の乳首への悪戯の記憶とに揺さぶられながら過ごした。「乳首の感度を高める訓練」などと称してやらされた乳首に触れるゲームを思い出して、多人数の講義中、こっそりシャツの上から自分の乳首に触れてみたりもした。乳首には鍼治療シールが貼ってあって、その上にシャツ、さらにその上から触っていることになる。それにしても、自分の乳首が驚くほど敏感になっていた。鍼が一ミリほど皮膚に刺さっているからかもしれないが、シールの上から乳首に触れるたび、ぴりぴりとした鋭い快楽が脳と陰茎に向けて発信されるのが痛いほど感じられた。それで愚息が勃ってしまい、また貞操具の中で窮屈そうに屈みこんで大きくなって痛んだので、俺は自分の乳首をいじるのをやめた。どうせ今晩まで待てば「今まで経験したことのない快楽」が約束されているのだ。今じたばたしても仕方がない、自分で乳首をいじってもしょうがない。今晩西岡に貞操具を外してもらい、思う存分勃起できる状態で、西岡に乳首をいじってもらうのだ。

続きを読む

親父の家政婦だった女 第二十五話

第一話へ
第二十四話へ

「具体的にはどういうことだ」
「はい、ミルキングは、健一様の直腸に指を挿入させていただいて、内側から輸精管を直接刺激することによって、強制的に精子を絞りだす方法です。この場合、射精の快感を伴わず、人によっては痛みを感じることもあります」

続きを読む

聖トリニティ退魔士会 第二十四話

第一話へ
第二十三話へ

続きを読む

聖トリニティ退魔士会 第二十三話

第一話へ
第二十二話へ

 いや、性感帯と云うのは違うのかもしれない。俺の手は、山下さんの両手に包まれて、めいっぱいの愛を感じていた。全身が抱きしめられたときに感じる愛の幸せ、そのミニアチュールを、手のひらを通じて山下さんが俺に与えてくれているのだと思った。そう思ったら、俺が何の反応も返さないのが悪いような気がした。俺は身体を横に向けて、俺の片手を包んでいる山下さんの手のひらへ、もう一方の手を添えて握り返した。細くて、なめらかで、少し冷たくて、暗闇でも手を握り合っているだけで美しいとわかる手だ。

続きを読む

聖トリニティ退魔士会 第二十二話

第一話へ
第二十一話へ

 夕方には、俺を含めた三人の新牧師のための歓迎パーティが開かれた。メニューはパンとチーズとスープなど変わり映えのしないものだったが、今日は加えて特別にワインが饗された。ワインなんかあまり飲んだことがないが、今日は歓迎される立場だ、一杯も飲まないわけにはいかなかった。山下さんから渡されたグラスをぐいっとあおると、ぐるんと目が回るような酩酊感があって、ほんわかと気持ちよくなった。みんなに歓迎されて、俺は幸せです。俺をとり囲む世界が、全て幸せに満ちているような、そうだ、これは、前にセミナールームでビデオを見ていたときに感じたあの得体の知れない多幸感によく似ている。

続きを読む

聖トリニティ退魔士会 第二十一話

第一話へ
第二十話へ

「今日、ここに、一人の若者が、牧師候補としての生活を終え、岐路に立ちました。道は二つに分かれています。一方の道には、私たちがほんの少し先を歩いています。もう一方の道には、何があるのか、私には断言することができません。私たちにできるのは、彼がどちらの道を選ぶのか、見届けることだけです。もっとも、彼が私たちと同じ道を選んだならば、少し先を歩く者として、道を照らすことはできるでしょうけれども」

続きを読む

聖トリニティ退魔士会 第二十話

第一話へ
第十九話へ

 次の日、火曜日で見学ツアーの最終日、山下さんは俺を起こして云った。
「中村さん、今日であなたの見学期間が終わりになります。今日は、朝食をいただいた後、私と一緒にチャペルに来てください。そこに武田先生がいらっしゃいます。憶えていらっしゃいますか、金曜日の夜にお会いした司祭の」

続きを読む

聖トリニティ退魔士会 第十九話

第一話へ
第十八話へ

「お疲れ様でした。いかがでしたか。私たちのこと、少しわかっていただけましたか」

続きを読む

聖トリニティ退魔士会 第十八話

第一話へ
第十七話へ

 ビデオが始まった。山下さんは俺の斜め前に腰掛けて、俺の方をニコニコしながら見ている。いかんいかん、ビデオに集中しなくっちゃな。

続きを読む

聖トリニティ退魔士会 第十七話

第一話へ
第十六話へ

 山下さんが何か説明してくれている。一生懸命頭を働かせて聞かなくちゃと思うが、山道を登りながらだと、脳に酸素を充分に回す余裕がない。とても尋常に物事を考え判断できるような状態ではない。

続きを読む

聖トリニティ退魔士会 第十六話

第一話へ
第十五話へ

 退魔士たちが帰ってから、山下さんがシャワーから上がった。白いシスター服のまま、ただしヴェールは被っていない。しっとりと湿った黒髪から甘い石鹸が香る。顔は元々化粧をしていなかったようだ。湯上りでも変わらぬ美しさ、むしろ湯気が魅力を添えていた。俺は先ほどの不吉な警告を頭の片隅に押しやって、山下さんの姿態に見惚れた。

続きを読む

聖トリニティ退魔士会 第十五話

第一話へ
第十四話へ

「あれ、山下さん、どうしました? 布団が足りなかったから持ってきてくれたんですか?」
「いえ、これは私の分の布団です」

続きを読む

聖トリニティ退魔士会 第十四話

第一話へ
第十三話へ

「初めまして。牧師の山下あきほと申します。明日からの見学の、案内を務めさせていただきます。よろしくお願いします」

続きを読む

聖トリニティ退魔士会 第十三話

第一話へ
第十二話へ

「今日一日の見学者の皆さんの様子、――特に中村さん、あなたの様子を、松枝さんから聞かせていただきました。『お祈りの時間には、誰よりも熱心に祈っていた。中村さんの熱心さに影響されて、他の見学者たちも熱心にお祈りをするようになった』『農場の見学・体験では、率先して動き、働き、他の見学者の先駆けとなって、周囲に良い刺激を与えていた』とのことです。中村さん、あなたにはそのような素質がありますね?」

続きを読む

聖トリニティ退魔士会 第十二話

第一話へ
第十一話へ

 昼食の前と後に、長いお祈りがあった。少々面倒だが、ここにいる限りはしきたりに従うようにしよう。昼食の後には農場・牧場の見学があり、求道者たちとの交流レクリエーションがあり、祈りの時間があり、夕食の前後にまたお祈りがあった。

続きを読む

聖トリニティ退魔士会 第十一話

第一話へ
第十話へ

 見学ツアー当日、俺が集合場所に着くと、見慣れた『もみの木の会』メンバーが既に集まっていた。大原さんは来ていなかった。他のメンバーが「急な用事が入ったんだって」と教えてくれた。

続きを読む

聖トリニティ退魔士会 第十話

第一話へ
第九話へ

 数日後、知らない番号から電話があった。
「こんにちは、中村大樹さまの携帯電話でしょうか?」

続きを読む

聖トリニティ退魔士会 第九話

第一話へ
第八話へ

 それから俺たちは田口先生を交えて、普段の会合と同じように、身近なことや聖書のことなどについて語り合った。田口先生はあまり口数多く話さなかったが、彼が微笑んで皆の話を聞いているだけで存在感があった。誰もがそこにいる田口先生の目と耳を意識して発言しているようだった。

続きを読む

Appendix

プロフィール

右斜め下

Author:右斜め下
人が苦しむ物語が好きなんだけど、苦しんでいれば何でもいいってわけでもない。
自分でも「こういう話が好きです」と一言で言えないから、好きな話を自分で書いてしまおうと思った。
SとかMとかじゃないんだ。でもどっちかっていうとM。

最新記事

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR